「この地域は大丈夫。」
そう思っていた地域が、一瞬で甚大な被害を受けてきました。
日本は世界でも有数の地震多発国です。
国土面積は世界全体の約0.25%しかありませんが、世界で発生するマグニチュード6以上の地震のおよそ2割が日本周辺で発生するといわれています。
これは、日本列島の地下で
- 太平洋プレート
- フィリピン海プレート
- 北米プレート
- ユーラシアプレート
という4枚のプレートが複雑にぶつかり合っているためです。
プレート同士が押し合い、沈み込み、ひずみが限界に達した瞬間、そのエネルギーが一気に解放され、大地震となります。
つまり、日本では**「いつ」「どこで」大地震が発生してもおかしくない**ということです。
そこで今回は、日本を襲った代表的な巨大地震を振り返り、その恐ろしさを改めて考えてみたいと思います。
① 関東大震災

■発生日時
1923年(大正12年)9月1日
11時58分
■規模
- マグニチュード7.9
- 最大震度:推定7
■震源
相模トラフ沿いのプレート境界地震
被害
- 死者・行方不明者:約105,000人
- 負傷者:約103,000人
建物被害
- 全壊:約128,000棟
- 半壊:約126,000棟
- 焼失:約447,000棟
主な二次災害
- 東京・横浜で同時多発火災
- 火災旋風
- 津波
- 土砂災害
- 鉄道・道路・橋梁の損壊
この震災で分かったこと
この震災では、建物倒壊よりも火災による犠牲者が圧倒的に多くなりました。
昼食の準備時間帯だったため、各家庭の火が一斉に燃え広がり、猛烈な強風によって巨大火災へ発展しました。
「地震=揺れ」だけではないことを、日本中に知らしめた震災でした。
② 阪神・淡路大震災

■発生日時
1995年1月17日
5時46分
■規模
- マグニチュード7.3
- 最大震度7
■震源
野島断層を中心とする活断層型地震
被害
- 死者:6,434人
- 行方不明者:3人
- 負傷者:43,792人
建物被害
- 全壊:104,906棟
- 半壊:144,274棟
- 一部損壊:390,506棟
その他
- 全半焼:約7,500棟
- 高速道路倒壊
- JR・私鉄運休
- 約260万戸停電
- 約130万戸断水
- 約86万戸ガス停止
この震災で分かったこと
亡くなられた方の約8割が住宅倒壊による圧迫・窒息死でした。
さらに、その後発生した通電火災などにより被害は拡大しました。
この震災を契機に、日本の耐震基準、防災法制、自主防災組織などが大きく見直されました。
③ 新潟県中越地震

■発生日時
2004年10月23日
17時56分
■規模
- マグニチュード6.8
- 最大震度7
被害
- 死者:68人
- 行方不明者:0人
- 負傷者:約4,800人
建物被害
- 全壊:約3,175棟
- 半壊:約13,800棟
主な被害
- 大規模土砂崩れ
- 山古志村孤立
- 上越新幹線脱線
- 道路寸断
山間部では救助隊が到着できない孤立集落が多数発生し、「孤立」という新たな課題が浮き彫りになりました。
④ 東日本大震災

■発生日時
2011年3月11日
14時46分
■規模
- マグニチュード9.0
- 最大震度7
■震源
太平洋プレート境界型巨大地震
被害
- 死者:15,900人
- 行方不明者:2,523人
- 負傷者:6,252人
- 災害関連死:3,800人以上
建物被害
- 全壊:122,050棟
- 半壊:283,921棟
- 一部損壊:749,767棟
主な二次災害
- 最大40m級の巨大津波
- 福島第一原子力発電所事故
- 大規模火災
- 液状化
- 港湾壊滅
- 約47万人避難
この震災で分かったこと
犠牲者の多くは津波による溺死でした。
津波は街全体を飲み込み、住宅・学校・病院・消防署・警察署までも流失させました。
さらに原子力災害という、日本が初めて経験する複合災害となりました。
⑤ 熊本地震

■発生日時
2016年4月14日・16日
■規模
- マグニチュード7.3
- 最大震度7(2回)
被害
- 死者:276人(災害関連死を含む)
- 行方不明者:0人
- 負傷者:約2,800人
建物被害
- 全壊:約8,670棟
- 半壊:約34,700棟
主な被害
- 熊本城大破
- 阿蘇大橋崩落
- 土砂災害
- 長期間断水
- 大規模避難
日本で初めて「震度7を2回観測」した地震であり、余震への備えの重要性が再認識されました。
⑥ 北海道胆振東部地震
■発生日時
2018年9月6日
■規模
- マグニチュード6.7
- 最大震度7
被害
- 死者:44人
- 行方不明者:0人
- 負傷者:782人
建物被害
- 全壊:469棟
- 半壊:1,660棟
主な被害
- 北海道全域ブラックアウト
- 厚真町で大規模土砂崩れ
- 空港閉鎖
- 鉄道停止
電気が止まることで、水道・通信・物流・医療まで影響を受けることが明らかとなりました。
⑦ 能登半島地震

■発生日時
2024年1月1日
16時10分
■規模
- マグニチュード7.6
- 最大震度7
被害
※公表値は復旧・調査の進展に伴い更新されています。
- 死者・災害関連死:約300人
- 行方不明者:3人(発災当初)
- 負傷者:1,200人以上
建物被害
- 全壊:約8,000棟
- 半壊:約16,800棟
- 一部損壊を含めると約8万棟以上が被害
主な二次災害
- 輪島市中心部の大規模火災
- 津波
- 土砂災害
- 地盤隆起
- 道路寸断
- 孤立集落
- 長期断水
- 通信障害
半島という地形のため支援活動は極めて困難となり、「道路が通れないこと」が人命救助や物資輸送を大きく妨げました。
地震で命を奪うのは「揺れ」だけではありません
これらの震災を振り返ると、多くの命を奪った原因は地震の揺れだけではありませんでした。
- 家具の転倒
- 建物倒壊
- 火災
- 津波
- 土砂崩れ
- 液状化
- ブロック塀の倒壊
- 停電・断水
- 避難生活の長期化
- 災害関連死
など、数多くの二次災害が被害を拡大させています。
犠牲となった方々にも、それぞれ家族があり、仕事があり、日常がありました。
その日常は、ほんの数十秒から数分の揺れで一変してしまいました。
次回予告
防災特集 第2弾
「日本の防災はどこまで進化したのか?」
阪神・淡路大震災から能登半島地震まで、日本では耐震基準、建築技術、法律、防災情報システム、避難所の整備など、多くの対策が進められてきました。
しかし、それでもなお課題は残されています。
次回は、「公助・共助・自助」の視点から、日本の防災対策の進化と、地域コミュニティが果たすべき役割について詳しく解説します。
NPO法人まちづくり川口 防災防犯事業部












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